FIGHTERのマスク部屋

格闘ゲーム『鉄拳』のコミュニティで活動しているマスクマン、FIGHTERのブログです。暇つぶしにどうぞ。

遠征のはなし

こんにちは。FIGHTERです。

 

さて、本日は妻との思い出話第2弾として、昔妻とよく行っていた〝遠征〟についてのエピソードを書こうと思います。

 

遠征……今となっては遠い記憶のようにも感じてしまいます。

当時、ネット対戦なんてものはなく、誰かと戦うためにはそのゲームセンターに足を運ぶしかありませんでした。

 

私がアーケードで鉄拳をプレイし始めたのは『鉄拳6』からですが、それ以前のシリーズからプレイしている方々の話を聞くと、昔は遠征を当たり前のように行っていたようですね。

 

格闘ゲームにおける遠征。

それだけ聞くとなんだか道場破りのように聞こえなくもありません。

 

〝どっちが強いのかわからないなら、おまえんとこ行ってぶっ飛ばしてやるよ!〟

 

的な。

まぁ、実際はそんなことほとんどなく、〝強い奴がいるらしいから見に行こう〟とか、〝地元じゃ対戦相手がいないからよそに出向こう〟ってことがほとんどだったらしいです。

 

ちなみに、私達夫婦の遠征はちょっと意味合いが違います。

 

ぶっちゃけた話、遠出がしたかっただけです(笑)

だって、鉄拳もたいして強くないんですもの。

遠征に行ったって、そこのゲーセンのプレイヤーにぼっこぼこにされるだけです。

 

が、それでもとても楽しかったのを今でも覚えています。

強さだけでなく、ただ単純に知らないプレイヤーに会いに行く。

地域によって得意不得意のキャラクターに差があったり、使用キャラに偏りがあったり。

 

その〝ゲームセンターの色〟を感じるだけでも遠征をする意味が私にはありました。

 

本日はそんな遠征の思い出の中からちょっとしたエピソードをご紹介します。

あっ、ちなみに今回のおはなしは、

〝遠征先のゲームセンターでこんなプレイヤーがいた!〟

 とか

〝この人とはこのゲームセンターでお会いしたのです!〟

ってはなしではないです。あしからず。

 

※いずれそういったはなしもしたいと思います。

 

遠征という名の遠足のはなしVol.1~お正月の落とし穴~

 

時をさかのぼること数年。

時代は『鉄拳6BR』全盛期だったある年の1月1日。

 

私達カップル(のちの夫婦)は朝から車で初もうでにでかけておりました。

が、初もうでなんて我々にとってはおまけ。

メインは初もうでの後に企画した〝鉄拳遠征の旅~千葉の良くわからない場所に行ってみよう~〟。

 

私たち夫婦は千葉県の太平洋側に位置する田舎町の出身です。

初もうでには鴨川の方にある大きなお寺にいくことが通例でした。

 

今回の遠征はその鴨川から

〝もっと内房あたりに足を延ばし、まだ見ぬ鉄拳プレイヤーを探しに行こう!〟

という趣旨のもと妻が発案しました。

 

そうです。

鉄拳遠征の発端は私の妻によるものなのです。

彼女は当時から外出が好き……というより遠出に行く計画を立て、実際に実行するのが好きな女性でした。

 

まぁ、車も彼女が持っていましたし、運転も彼女がメイン(私もできます)だったので、移動や行きたい場所関連については彼女に任せていました。

 

ってか、ここで皆さんお気づきかもしれませんが、私たち夫婦の決定権は昔から妻が持っています。

 

彼女の権力は絶対です。

逆らえません(苦笑)

 

が、ここで断っておきたいのが

〝無理やりわたしの決定権をはく奪し、一生我が奴隷になれ!

と、脅されたわけではないということ。

 

私としては鉄拳に突き合わせていただけでも申し訳なかったので、彼女がこうしたい、ああしたい、というのは極力聞くようにしていただけのはなしなのです。

 

……まぁ、ここまで権力を握られるとは思っていませんでしたがね(遠い目)

 

と、話は戻しまして1月1日。

初もうでを終え、いよいよ本日の旅がスタート。

 

〝どんなプレイヤーがいるのか?〟とか、〝昼ご飯は何を食べる?〟といった話題で盛り上がる車内。

ある程度進んだでしょうか、ここで妻(当時彼女)が、

 

「あー、ガソリンないわ。途中で入れてよい?」

 

と言ってきました。

 

ガソリンメーターを見るとメモリは3分の1程度付近で止まってます。

確かに、ガソリンの残量は少なめです。

 

もちろん断る理由もないので即ok。

早速手ごろなガソリンスタンドをナビで検索し、再出発。

 

距離はそこまで離れていなかったらしく、あっという間にガソリンスタンドが見えてきました。

が、ここで問題発生。

 

ガソリンスタンドにつくも、人気がありません。

セルフ? と一瞬思いましたがそうでもない。

では従業員は?

そう考えていた矢先、奥の方に看板があるのを発見。そこには……

 

〝年末年始休業のお知らせ。1月2日より営業再開〟

 

……おおふ。

 

正直、ガソリンスタンドにお休みがあるとは想定していませんでした。

が、気を落としてもガソリンは増えるわけではありません(当たり前だ)

 

再度別のガソリンスタンドを検索。

距離は少し離れますが、まだガソリンが底をつくような場所ではなかったので一安心。

 

気を取り直し、走行開始。

しばらく走らせて2件目発見です。

よかった。これであんし……ん?

 

〝年末年始休業のお知らせ。1月2日より営業再開〟

 

はは。なんの冗談だい?

 

車内にちょっとした笑いが溢れます。

彼女は〝2件連続は運が悪いねー〟なんて笑い、私もそれにつられて笑っていました。

 

が、笑っていられたのはここまでです。

そのあと、何件ガソリンスタンドを検索、その場所に行っても

 

〝年末年始休業のお知らせ。1月2日より営業再開〟

 

の看板があるではありませんか!

 

「はぁー! どうなってるわけー!! ガソリンないんですけどー!!」

 

彼女の怒号が車内に響きます。

 

〝もともと遠出する予定ならあらかじめガソリン入れておけよ〟

 

なんてことは死んでも口に出せない状況の中、わたしは次なるガソリンスタンドを必死で探していました。

 

次のスタンドは数キロ先。

ガソリンの量も残りわずかではありますが、なんとかまだ到着できるでしょう。

 

ってか、

 

到着できない=ガソリンがない=進むことも帰ることもできない=遠征どころではない

 

なので、彼女も必死です。

鬼の形相でカーナビを睨みつけています。

もし、次のガソリンスタンドでも〝年末年始休業のお知らせ。1月2日より営業再開〟なんて看板が立っていたら、ナビの命はありません。罪はないのに。

 

そしていよいよ最後?のガソリンスタンド。

敷地も狭く、恐らく自営?のスタンドです。

 

が、ガソリンを入れる機械はあっても人気がありません。

 

ナビよ……ここまでか……。

 

と、思ったら、奥にあるスタッフルーム?からおじさんが歩いてきました。

 

「どうしたの? 道迷ったの?」

 

優しく聞くおじさん。

 

「ガソリン! 入れてくれます!? ないんですけど!」

 

ちょっと必死すぎる彼女(引いてる私)

 

おじさんもちょっと困り顔でしたが、彼女の必死の訴えに負けたのか、

 

「本当は休みなんだけどね。いいよ」

 

と、ガソリンを入れてくれました。

 

おじさんに聞くと、この先もセルフのガソリンスタンドはなく、また、どのスタンドも基本的に本日(1月1日)はお休みとのこと。

おじさん自身も、ふらりと立ち寄っただけだったようで、〝本当に運がよかったね〟と言われました。

 

ガソリンを無事入れ終え、笑顔でおじさんと別れます。

 

この時点でわたしは疲労困憊。

が、彼女は

 

「いよぉーし! こっからが本番だね!」

 

なんて言って、はしゃいでいます。

正直、げんなりでしたが、彼女の明るい顔を見てわたしもそれに続くのでした。

 

こっから、

なっがーい田舎の細い道を車幅ギリギリで走ったり……

映画『インディージョーンズ』にでてきそうな、今にも崩れそうな桟橋を渡ったり……

 

など、トラブル目白押しの中、なんとか目当てのゲームセンター数件に行ったのですが、それはまた別の機会におはなししましょう。

 

ぶっちゃけ本当は全部書くつもりでしたが、思いのほか長くなってしまったので(笑)

ですので、今回はこのあたりで! アディオス!